幼い頃抱いた「ヨットで太平洋一周」という夢は、「挑戦」という形で微妙に変化してゆく。
中学校の時、学校の前にある岩壁で出会ったロッククライマーたちに、学校の先生や周りの大人たちとは違う、うそやごまかしのきかない世界を感じ取った。自分を研ぎ澄ませ危険への感覚を磨き、恐怖を乗り越え高みへ進む。自分自身への挑戦が、18歳でヨセミテ・ソロ登攀という、世界的な偉業を成し遂げる原動力となった。
多くの先輩たちが家族や子育てを理由に一線から退いていく姿を見送りながら、自分は「夢をあきらめない」と心に決める。三倉岳の山小屋管理人として自ら企画提案したロッククライミングスクール&フィールドガイドとしても活動し、3年間は電気も電話も給料も無しという暮らしを続けながら、「10年後に太平洋一周に挑戦」という目標を掲げつつ着々と準備を進め、12年後に家族とともに夢の実現を果たした。  |

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