MATSUURA
実務歴17年
- ITサポート・サービス
- コンサル・アドバイザー
松浦 妙子
ファンの想いと地域の理解をつなぐコンテンツ×文化振興の架け橋に
広島国際アニメーションフェスティバルや関連事業の広報・企画・運営支援も手掛ける松浦妙子さん。アニメーションを中心に、メディア芸術やコンテンツ文化の振興に取り組むNPO法人「広島アニメーションシティ」の理事を務める。近年、熱心なファンが作品の舞台となった土地を実際に訪れ、その世界観を体験する「聖地巡礼」がブームとなる中、地域活性化策の一つと期待を寄せる向きもある。しかし、受け入れ態勢の不備はもとより、作品やファンに対する理解もないまま、単なる観光客数アップの手立てと捉えると、文字どおり短期間のブームに終わってしまう。松浦さんはサポートにあたり、「アニメをはじめ、漫画やゲーム、キャラクターなどコンテンツを愛する人たちの気持ちを、〝魂〟として事業に込め、地域への理解も深めていきたい」との想いを持つ。
地域は物語に満ちている 聖地巡礼は宝を発見する契機
松浦さんは、「地域は、どこであれ〝物語性〟に満ちあふれている」と力を込める。一方で、「地元が舞台になった作品というのは決して地域振興PR動画ではない」とも。地域に長く住んでいる人にとっては日常的で気付かなかった大切なものを、聖地巡礼の外来者(=ファン)が異なる視点で見つけ、価値の再発見や新発見につながる可能性は高い。コンテンツを活用した地域おこしのカギを握るのは、「訪れる人にとって何が大切なのかをフィルタにして、 住む人にとって何が大切なのかを見つけることではないか」と松浦さん。聖地巡礼は、地域に潜在する力や宝を住民が再発見するきっかけになり、「見つけたものを改めて大切にし、自慢・宣伝することで、地域の新たな価値や宝としていくことができる」とし、文化として根付くための地域住民による活動の重要性を説く。
物語を愉しむことは日々の暮らしを心豊かに
幼少の頃から漫画やアニメが大好きで、今でも楽しむという松浦さん。学生時代は漫画研究会に所属し、創作や編集の経験があるほか、大学祭や地域コミケ(同人誌即売会)の企画、広島国際アニメーションフェスティバルのボランティアなど、漫画やアニメをテーマにしたイベント運営の経験も豊富だ。「漫画やアニメ、さらに小説、詩歌なども含め、広い意味での創作物、物語や作品を愉しむことは日々の暮らしを心豊かにしてくれる」と語るとともに、「地域の宝を再発見して、自分たちが暮らしていく場所を、よりよくしていこう、という気持ちも掘り起こす」ことを目指し、地域がコンテンツを理解して永く活用していくための支援に力を注ぐ。その証左とも言えるのが、映画賞を総なめにしたアニメ「この世界の片隅に」だ。制作資金の調達に難航していた2012年から、映画化を支援する呉・広島の会世話人のひとりとして、公民館や商店街の店舗で展示会など地元からの映画制作の周知に尽力した。18年には京都造形芸術大学(入学当時)通信教育部の芸術学部芸術教養学科に社会人入学。メディア芸術文化振興の知識にさらに磨きをかけている。
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地域が抱える社会的課題を見据えて自走に導く文化振興サポート
松浦さんは2006年から広島のアニメーションによる地域文化振興に関わるようになり、ライトノベルコンテストの受賞作品集の編集をはじめ、アニメ制作コンペやコンテンツプロデュースセミナーなどの企画運営にも携わってきた。さらに、広島国際アニメーションフェスティバルや関連事業の広報・企画・運営支援のほか、広島市文化振興課が発行する「広島アニメーションだより」の編集・記事執筆も手掛けている。以前は、企業の業務アプリケーションのシステム設計や制作を手掛けるシステムエンジニアやプログラマーとして活躍していた松浦さんはITに関する造詣も深い上、クライアントが見逃しがちな真の課題や需要を汲み取る力にも優れる。
業務内容
・アニメーション等による地域文化振興支援
・Webサイト、SNS等コミュニティ活用支援
・地域文化イベントの発信・企画
お仕事実績
・NPO法人広島アニメーションシティのウェブサイトおよびSNS管理・更新(2012~)
・広島市文化振興課発行「広島アニメーションだより」の編集・記事執筆(2013~)
・「この世界の片隅に」を支援する呉・広島の会世話人メンバーとして地元からの映画化支援(2012~)
・広島国際アニメーションフェスティバルおよび関連事業の広報・企画・運営支援(2010頃~)
・広島アニメーションビエンナーレ事業引継ぎ団体立ち上げ・運営、NPO化(2009~2012)
・第2回みんなのライトノベルコンテスト『宮島文庫』 企画・運営および受賞作品集編集(2009~2011)
・平成21年度『中国地域における新たなコンテンツを活用した集客・交流産業振興のための基礎条件調査』(ちゅうごく産業創造センター)検討委員
・平成20年度 中国地域発「アニメ制作コンペ」(中国経済産業局主催/広島アニメーションビエンナーレ共催)W/G委員
・平成19年度「中国地域におけるアニメ等コンテンツを活用した地域振興方策の実証事業」(中国経済産業局)検討委員
・中国経済産業局、ちゅうごく産業創造センター 地域コンテンツ活用による地域振興検討委員
公職
・NPO法人広島アニメーションシティ理事
最新の実績
映画祭「ひろしまアニメーションシーズン」の企画・広報等の支援業務
2022年から始まった広島市のイベント「ひろしま国際平和文化祭(ひろフェス)」について所属NPO広島アニメーションシティが実行委員会構成員になったことから、ひろフェス全体とそのメディア芸術部門映画祭「ひろしまアニメーションシーズン」立ち上げに関してイベント事務局からの企画案に提言等を行った。また、広島市文化振興課より委託を受けて編集している広島メディア芸術情報誌「広島アニメーションだより」やNPOで持つSNSアカウントにて、記事掲載、告知や紹介を行って、新映画祭の市民への周知をはかる広報支援に一役買った。同イベントは2024年8月に第2回が開催され、芸術文化が平和に果たす役割、若手アーティスト育成の意義、アニメーション映画祭の楽しみ方を伝えるなど、より発展的に企画・広報の支援業務を担当している。
連絡先
松浦 妙子
TEL:090-9419-2917
HP:http://sat3.jp/works/
NPO法人広島アニメーションシティ システム部門担当
NPO法人広島アニメーションシティ のシステム部門担当を請負う。
設立時から理事として関与しておりNPOの理念や事業内容を熟知していること、システムエンジニアとしての経験があることから、作業一切を委任される。公式サイト設置および更新、SNS(Twitter, Facebook)アカウントの管理更新、メールサーバ管理者を2012年から継続して担当している。
システム運用作業は全て在宅で、情報収集のためのイベント参加、必要に応じて関係者との打ち合わせを面談やメールで対応。
2020年度は新型コロナウイルス対策として、オンライン会議対応へのアドバイスや運用支援も実施した。
広島メディア芸術情報誌「広島アニメーションだより」編集
NPO法人広島アニメーションシティが広島市文化振興課より委託されている「広島アニメーションだより」の編集および記事執筆を2013年から実施している。
「広島アニメーションだより」は年3回発行、A4サイズ4ページまたは6ページのフルカラー印刷によるフリーペーパーで、広島国際アニメーションフェスティバルの情報をはじめとして、広島のアニメーションや映画等のメディア芸術に関する情報を提供する。
情報収集および編集企画、記事ライティング、広島市や記事関係者との折衝、版下レイアウト作成担当者への指示、校正と印刷所への発注作業を行う。2020年度からは共同編集長をつとめる。
広島国際アニメーションフェスティバル広報等の支援
広島国際アニメーションフェスティバルについての広報を、広島アニメーションシティSNSアカウントにて2010年頃から実施。当時はまだ行政など公的機関のSNS利用が普及していなかったため、広島アニメーションシティのアカウントにてネットワーク上の広報支援を行った。その後フェスティバル公式アカウントが設置されたため、現在は情報シェアにて支援している。
また、フェスティバルやメディア芸術を周知・応援するための関連イベントの企画・運営に携わった。展示内容について権利関係者とメールや電話にて交渉を行い、必要な資材の調達はネット購入を中心に対応した。
関連イベントの例:2年に一度ゴールデンウィークに旧日本銀行広島支店を会場に開催しているフェスティバル100日前イベント。2014年「アニメーション・まんがアート展」、2016年「アニメーションで蘇る~この世界の片隅に~広島展」
アニメーション、メディア芸術団体の立ち上げ・NPO化
有限責任中間法人広島経済同友会アニメーションビエンナーレ基金の解散に伴い、2009年4月その事業を引継ぐ任意団体広島アニメーションシティの立ち上げメンバーとなって、創設・運営に関与し、2012年には同団体をNPO化した。
NPOを支援するひろしまNPOセンターと情報交換のもと、文化芸術に寄与する公益団体の円滑な創設や運営、NPO会計についての調査検討を行った。
地域ライトノベルコンテスト企画・運営および作品集編集
広島アニメーションシティにて、広島の地域(宮島)をテーマとしたライトノベルコンテスト「宮島文庫」の企画に携わり、コンテスト応募要項や応募手順の検討および作成、コンテスト運営を行った。宮島をテーマとすることで、ライトノベルの主要読者層である若者に地元への関心や愛着を生んだという評価を得た。また、受賞作品を集めた作品集の編集スタッフとして、書籍編集、広島県内の印刷所への発注を実施した。書籍内のイラストは広島在住のイラストレーターに発注し、地元クリエイターの発掘、支援にも寄与した。
第2回みんなのライトノベルコンテスト「宮島文庫」(コンテスト2009~2010、書籍発行2011)
コンテンツ活用による産業振興調査の検討委員
平成21(2009)年度に公益財団法人ちゅうごく産業創造センター(現・公益財団法人 中国地域創造研究センター)が実施した『中国地域における新たなコンテンツを活用した集客・交流産業振興のための基礎条件調査』に検討委員として携わった。マンガ・アニメファンが好きな作品の舞台を訪ねる、所謂「聖地巡礼」が地域振興策になりうるという観点から、中国地域が舞台となるマンガ・アニメを抽出し、その効果を検討する会議に参画して、提言を行った。
また、翌2010年には当該センター発行物「季刊 中国総研」コンテンツ・ツーリズム特集号への寄稿の依頼を受け、原稿を提出、掲載された。
中国経済産業局 中国地域発「アニメ制作コンペ」W/G委員
広島の若手アニメーション作家養成を目的とした「アニメ制作コンペ」プロジェクトのセミナー企画およびコンペ運営。
平成20(2008)年度に中国経済産業局主催/広島アニメーションビエンナーレ共催で、公募ライトノベルを原作にアニメーションで予告編映像を作成するコンペを実施。コンペ応募者には制作に必要なノウハウを伝えるセミナー数回を受講してもらい、後にプロアニメーション作家が生まれた。
プロジェクト運営ワーキンググループ委員として、セミナー会議に出席して企画立案に関与し、コンペ応募者へ提供する原作冊子の編集および印刷発注と広報(サイト運営やチラシ原案作成)を在宅にて行った。